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Kの徒然日記です。
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まだ二月なのに何でこんなに暖かいんだ?年々、地球もおかしくなってるんですねー。
腋の下が湿ってきた。青山に向かうこの緩やかな坂道は意外と疲れるんだよな。
今日は他大学での特別講義がある為、普段なら行かない青山へと向かっているのだ。
 
表参道に並ぶブティックには蝶々の様なヒラヒラとした薄い生地の洋服がディスプレイされている。あのワンピース一枚で俺の給料半分は軽く飛びそうだな。ヴァレンタインも終わり、世間ではもう春の準備が始まっている。そう、ヴァレンタインは過ぎてしまった。今年もまた俺は忍にチョコレートをやっていない。別に愛情が無いとか、忍の事を想っていないワケではないのだが。いや・・・その何だ、こんなオジサンがキラキラパッケージのチョコレートなんか買えるかっての!恥ずかしくてそんな事できるか。でも14日、忍は俺にチョコレートを持って来た。義理チョコだとか云ってたが、俺の顔を見ずに真っ赤になって俯いている忍の姿で本命だって事が丸わかりだった。ま、それが余計に可愛かったりするんだよな~って、俺も重傷だナ。
 
青山通りが見えてきたぞっと。ん?あれは菓子屋か?店の中から見たことのある茶色のシンプルな袋を持つ女性が出て来た。あ~、昔理沙子が買ってきた事あったな。有名なショコラティエだとか何とか云ってたな。どれちょっと拝見。外から店内を覗くと身なりの良い男性客も女性客の中にちらほら混ざっていた。ま・・・入るだけ、入るだけだ!決して買わんぞ。なんて自分に言い聞かせながらドアーを開いて甘い匂いのする店内に入った。


 
 
 
 
 
「おっさん、もう食べないのかよ?」
 
うっ!あの整った顔で睨まれると凄味があるんだよな。忍は手料理を残されたのが不満らしい。
大皿にはまだ焦げたキャベツ炒めらしき物が残っている。が、もう限界だ。
 
「忍ちん、申し訳ないのですがキャベツ一個を一食で食べきるのは辛いのですが。」
 
「あぁ?こんくらいの量大したことないだろ。ダイエットでもしてんのかよ。」
 
「いや、忍ちんの愛情でお腹いっぱいだな~なんて。ははっ・・・。あ、今日は俺が片付けるわ。ついでに食後の茶も俺が淹れてやる。」
 
「何?なんか今日のアンタ気持ち悪い。ご馳走様でした。」
 
 
忍は怪訝そうな顔つきをしながらソファへと移動した。かーっ!可愛くねぇな全く。さて、食器は流しへと運ぶっと。残ったキャベツ炒めは冷蔵庫だな~明日の朝飯にでもするか。冷蔵庫を開き、残り物を押し込み代わりに牛乳を取り出す。戸棚に隠しておいた茶色の袋も準備した。実は忍が料理している間、これを発見されやしないかと冷や冷やしていたのだ。
 
水と牛乳を鍋に入れ、沸騰させその中へ茶色の粒を落とす。パラパラパラ、ポチャン。泡立て器でぐるぐると丁寧に混ぜる。白い液体にすうっと茶色が浮かび上がってくると思わず表情が綻んでしまう。結局俺はボックスのチョコレートは買わなかった。かっちりした箱と赤いリボンが仰々しくて何だか照れくさかった。鍋の中の液体は優しいなめらかな茶色に変化して、カカオの甘くて苦い香りがキッチンに広がってきた。俺にはこれくらいが丁度良い。選んだのは透明の筒に入ったチョコレートドリンクだ。
 
 
ソファに座って本を読んでいる忍の隣にマグカップを二つ持って座る。
 
「ほら、遅くなって悪かったな。」
 
忍は本をテーブルに置き、俺からカップを受けとる。
 
「遅くなったって?」
 
「いいから飲めよ。ちょっと店の前を通りかかったからさ、買ってみたんだわ。」
 
横目で忍を見ると、カップに唇を付け喉が微かに動いた。何で俺がどきどきしてんだか・・・。
 
「宮城っ!これってチョコレートだ!!ヴァレンタインのチョコレートって事なのか?」
 
大きい目をさらに大きく開いて俺を見つめる。ははっ、目ん玉がこぼれ落ちそうだな。
 
「いや、違うって事じゃなくてなんつーか、ホラあれだ。」
 
「はっきり云えよ!」
 
「・・・・・・・・・・ヴァレンタインだ。」
 
 
忍の顔がぐしゃっと崩れる。嬉しそうな泣きそうなよく分からん顔だ。嬉しいなら素直に笑えば良いのにコイツは絶対に笑顔を見せないのだ。
 
「宮城っ!!」
 
勢いよく俺に抱きついて、腋の下におでこをぐりぐりと押しつけている。そんな仕草もたまらなく可愛かったりするわけで・・・。たぶん忍は今満面の笑みを浮かべているのだろう。いつも俺に見えない様に笑うのだ。でもそれで良いんだ。忍には毎日、とはいかないけれど笑顔の素を俺が与えてやれたら良いなと思っている。忍の笑顔を思い浮かべながら、忍の頭のてっぺんにある旋毛に軽くキスを落とした。
 





テロのバレンタインを妄想していました。あの二人はあまあまいちゃラヴカップルでは無いと思うので、バレンタインなんて関係なさそうですね;でもたまにあるいちゃいちゃ(?)がたまりません(>_<)
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明けましておめでとうございます。楽しくマイペースに純情ライフを送りたいと思います。
どうぞ本年も宜しくお願いします。


夜中に煩悩を祓うべく、鎌倉のお寺で除夜の鐘をついて来ました。なんだか気が引き締まったような?お寺や神社は特別な場所なんだ、と改めて感じました。今年は写経にチャレンジしたいと思いますw


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「カノムパン」のパンとラスクです。天然酵母で作られたパン達はずっしり重みがあります。カノムパンは「パンを噛みしめる。パンを一生懸命噛んで味わう!噛めば噛むほど味が出る!」超ハードパンです。少し酸味が感じられる、非常に珍しいパンだと思います。以前は渋谷にディーン&デルーカでも取り扱いがありました。今はやっていないのかな??その辺のパンを食べ飽きた方にオススメですよ。お店ではタイ料理も食べる事ができます。「バナナパンケーキ」が美味しいのでオススメです☆これも普通のパンケーキじゃないのですよ~ふふふ・・・・(^o^)機会がございましたら是非!


さっきまで、ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤーコンサートを一人で見ていました。一人で観客と一緒になり手を叩いて楽しみました。・・・そして、テレビを見ながら4コマを描いていたら無性に寂しさを感じました。なんだか今年の行く末が見えた様な気がします。
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午前中は風が強いだけで、綺麗な海。サーファーもいっぱいいましたよ。しかし・・・

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午後(笑)荒くれています!台風上陸かと思いました。見て下さい、岩場に船が乗り上げてしまってさあ大変!!身動き取れず・・・。風が強くて流されてしまった模様。そんな中、「わ~大変!!」と撮影をしまくる住民達www私もその中の一人でした。



ちくちくちくちく・・・。アップリケを可愛いって言って下さって、ありがとうございます<(_ _)>拍手&拍手コメありがとうございました♪愛を込めて作っています~☆
☆注意☆

暗い話です。弱っている宮城なんて嫌!じめじめした話は嫌!と云う方はすっとばして下さいね。





 
 並木道を歩いていると秋が来たのだと気が付くと同時に、冬が迫っているのを感じる。赤・黄・茶色。枯れ葉の絨毯の上をパキパキと枯れ枝を踏みながら歩く。俺も忍も何も話さない。秋の匂いを吸い込み、少しずつ風の冷たさに慣れていく。良く晴れていて太陽の日差しでじんわりと汗ばんでくる。でも顔に当たる風はキリッと締まっていて冷たい。秋から冬に変わるこの季節は俺をひどく混乱させ、どうしようもない泥濘へと誘い込む。俺を捕まえようと暗闇から手が伸びてくるのだ。昔の傷が痛む。先生の「死」に対面してから俺の「生」の一部は、「死」に飲み込まれてしまった。もとから「生」と「死」は共存しているわけだが、以前よりも「死」を強く意識する様になった。だが、先生は死に俺は生きている。
 
 
並木道が終わると、こじんまりとした公園がある。たまにだが、晴れた休みの日に忍と2人でこの公園で軽く読書をする。公園に入ると子供達のはしゃぐ声があふれている。無邪気に駆けずり回る子供、その姿を眩しそうに見守る親、のんびりと散歩をする老人。どこにでもある休日の公園の風景だ。俺達はいつものベンチに座り鞄から本を取り出す。
 
「今日は人が多いな。早めに帰るか。」
「ん、そーだね。」
 
忍はそっけなく答え、読書を始めてしまった。俺も本を開き文字を追い始めた。
 
 
これからの未来に向かって生きる子供達と、「死」に向かって生きる老人達。この小さな公園の中にも「死」は「生」の一部として存在している。いや、その逆か?足下にボールが転がって来て、それを追って小さな女の子が走って来た。自然と顔が緩み笑顔を向ける。ボールを拾い、少女に手渡すと
「どうもありがとう。」
にっこり笑い、無垢な笑顔の残像だけ残し俺の前から去って行った。「ちいさきものはいとうつくし」清少納言か。子供はかわいいと思う。職場の教授達も子供や孫にメロメロだ。俺が離婚して独り者になると、周りから
 
「宮城君は子供がいないのだったな?子供はいいぞ。若い時は一人でも良いが歳をとると一人は寂しいもんだ。老後は子供と孫に囲まれてすごした方が楽しいだろう。もう一度結婚したらどうだ。」
 
なんてアドバイスを受けた。再婚なんておそらくしないだろう。一度すれば十分だ。老後ねえ、今は快適な老人ホームが沢山あるから別に心配はしていない。金さえあればどうにかなるだろう。目の前を老夫婦がゆっくりと通り過ぎる。あの夫婦は歳が幾つも離れていないのだろう、二人が同じように年をとっている。2人で一緒に老いていくのだ。俺と忍は違う。忍とは17歳もの年の差がある。確実に俺が先に老いていく。果たして30年後、俺達は一緒にいるのだろうか?老いた俺を捨て、忍は他へ行ってしまうかもしれない。そして俺はまた一人取り残されるのだ。あの時と同じように。再び暗い沼底のぬかるみをのたまうのだ。太陽が雲に隠れ、少し肌寒くなった。日差しもまったく地上に届かない。ビュウッと風に煽られ、落ち葉が辺りに舞う。ふと理沙子に云われた言葉を思い出す。
 
『庸、あんたは独りね。ずっと独りで生きるのよ。』
 
そうだ、俺は独り。沼底から俺を引きずり込もうと手が伸びて来る。このまま独りで生き、醜く老いて独りで死んでいくのだ。無数の手が俺を捕まえる。独り、一人、ひとりひとりひとりひとりひとりひとりひとり・・・
 
「おい、宮城っ!!」
 
腕を強く掴まれ、現実に引き戻される。
 
「あ・・・ああ、スマン。ちょっと考え事をしていた。」
「・・・どうしたんだよ。アンタ、今日へン。」
 
大きな茶色い澄んだ瞳で、俺の黒く暗い瞳をのぞき込む。俺の闇を覗かれている様な気がして思わず目を反らす。
 
「まぁ秋だからな。アンニュイな気分にもなるさ。乙女心と秋の空~ってな。」
 
いつもの調子で答えると、忍は小さくため息をつき読みかけの本を閉じた。
 
「またそうやって茶化す。もう帰ろうぜ。ちょっと冷えたし。」
「そうだな、帰るか。」
 
俺はどうにか暗い闇を押し込め、立ち上がった。
 
 
 
カサカサ、パキパキ。並木道を歩いていると忍が口を開いた。
 
「今日の夕飯はキャベツ炒めにする。キャベツのストックないから、スーパー寄って。」
「ハイハイ。またキャベツですか・・・。」
 
頭の中で大盛りのキャベツ炒めを想像すると、食欲も半減してしまう。やれやれ。
 
「それと、アンタの下の世話は俺がするから。」
「はい?」
 
思わず立ち止まる。
 
「変な意味じゃねーからな。アンタの老後の話。」
 
・・・・・・・。
 
「オラ、とっとと歩け。」
 
忍は俺の手を握り、ぐいっと引っ張る。その華奢な手は冷たかったが、その温度が不思議と心地良かった。今の言葉がどんなに嬉しかったかお前には分からないだろう。別に何の約束を取り決めた訳でもない。この先、その想いは変わるかもしれない。でも、今の俺には・・・。忍、愛しい忍。俺がこんなにもお前を愛しく想っている事を知らないだろう。どれだけ俺の支えになっているか。俺はこの気持ちをいつか、忍にちゃんと伝える事が出来るだろうか。大丈夫だ。まだ時間はある。ゆっくり伝えていこう。忍の手を強く握り、コートのポケットに突っ込む。
 
「何してんだよ!誰かに見られたらどーすんだ!」
 
俺の珍しい行動に忍は顔を赤くして、あたふたしている。可愛い。
 
「止めろって。」
 
そうは云ってもポケットの中から出て行く気は全く無い様だ。可愛い、可愛い、たまらなく。
 
「この並木道を歩く間くらい良いじゃねーか。恋人同士みたいだろ。」
「・・・恋人同士だろ。」
「そうでした、そうでした。」
 
目を細め忍に優しく微笑む。俺と忍は歩き出した。パキッパキパキ。いつもよりゆっくりと丁寧に。一足、一足を大切に踏み出す。忍と二人、この道を歩く。



先生が亡くなった季節に宮城は何を思うのかな~なんて。最愛の人を亡くした訳ですから、心のどこかに闇が出来ていると思います。でも、肝の据わった忍ちんが側にいるからきっと大丈夫でしょう。そんな闇はとっぱらってくれるはず。ずっと最後まで宮城と一緒にいて欲しいと思います。








拍手ありがとうございました♪拍手のみでもとーっても嬉しいです(*^_^*)

☆RICA様
ヒロさんの食事シーンは絶対にエロいですよね!!食事どころじゃなくなっちゃいますよ!RICAさんの食事シーンも堪能しますね♪楽しみです♪今はテロ熱が高すぎて、エゴ話は当分ないとは思いますが覗いてやって下さいね!主腐友が出来て嬉しいな~☆今度はゆっくり話せると良いですね。

☆美龍様
たまにはここで(笑)なんか暗い宮城話でごめんなさい(^_^;)かっこ良いだんでーな宮城は書けそうにありません。次回も宮城サイドの話です~。ちょっとエロくなりそうですので・・・ご容赦下さい。テロサイト少ないですよね!美龍さんもっとテロ話プリーズです!!
 
 
 我が家の台所からご飯の炊ける良い匂いが漂ってきます。俺は優雅に夕刊を読みながら、恋人が作る夕飯を待っております。リビングの窓から下の道路を見ると、木枯らしが吹いて寒そうだ。道行く人はマフラーを口元まで上げ足早に歩いている。ここは暖かいぞーぬくぬくですよー、なんて優越感に浸ったりして。お~良い匂いだな、何が出来るか楽しみだナ。この何気ない時間が良いんだよなぁ・・・。ぬわ~んて・・・
 
「メキメキッ!!ドガッ!ガッ・ガッ!」
 
!!おいおい、料理してるんだよな?何したらあんな音がでるんだ。気になる。でも、アイツは俺が口出すと怒るから大人しく待つか。
 
「ジャッ・ジャッ・ジャージャー!うおあっ!あっっち!」
「おい!忍大丈夫か?」
 
新聞をテーブルに置いて思わず立ち上がってしまう。
 
「なんでもねーよ!オッサンは引っ込んでろ。」
「ハイハイ。オジさんは大人しく待ってますよー。」
 
まったく、かわいげのないクソガキだ。そのまま椅子に腰掛けて新聞を広げる。今日は一体何を食べさせられるんだか。一抹の不安がこみ上げてくる。
 
 
ドンッ!
「オラ、食えよ。」
 
テーブルの上に置かれたのは炊きたてご飯にキャベツのみそ汁、メインは大皿に山盛りのキャベツ炒め。ま、メニューは分かってたんだがな。しかし、まーいつもにも増して危険な彩りになってるな。ベーコンは真っ黒に焦げているし、卵はなんだかべちゃっとしている。俺がキャベツの山に圧倒されていると
 
「何か気にいらねえのかよ。」
 
その綺麗なお顔で睨まれると一層凄味を増して怖いんですけど、忍チン。
 
「いえいえ、とんでもごぜいません。わーおいしそうだナ☆頂きまーす。」
 
俺が箸を持つのを確認すると、忍は台所へ戻って後かたづけを始めた。こっちを気にしてないように振る舞っているが、意識は俺に集中しているのが丸わかりだ。さり気なく様子を伺っている。ったく、席に座って一緒に食べりゃ良いのに。恐らく、忍は怖いのだ。直に俺の反応を見るのが。これだからお子様は。とりあえず頂くとしますか、さて一口。・・・・あれ。
 
「・・・ん?うまいじゃねーかコレ。」
「えっ!」
 
忍は凄い勢いでこっちを振り返った。お前、反応速すぎだっつーの。
 
「パッと見はやばいけどな、食ってみるといけるわ。ベーコンの旨味が全体に行きわたり、卵もふんわり・・・」
 
忍の表情がパァッと明るくなった。目が大きく開く、口元が緩んで・・・あっ笑う・・・と思った瞬間、くるっと後ろを向いてしまった。
 
「うっせー!うんちく語ってんじゃねーよ。男なら黙って食え!」
 
 
褒めてやってんのに、アノヤロー何て言いぐさだ!しかも、何で俺には笑顔を見せないんだ?俺は恋人だぞ?おかしくないか。他の奴には笑顔の大安売りしているくせに。きっと俺は忍のすべての表情を知りたいのだ。俺の中の忍はいつも怒っていたり、つんとすましていたり、泣いていたり、ロクな顔がインプットされていない。忍の笑った顔が見たい。他の誰かに向けたモノじゃなく、俺に向かって笑って欲しい。俺はいつになったら忍の笑顔を引き出してやれるのだろうか。あーくそっ、また忍の事ばかり考えている。はあああああ・・・はあ。何気なく窓ガラスを見ると、ちょうどこの角度から台所に居る忍の姿が映って見える。洗い物を慣れた手つきでちゃっちゃと片付けている。ほー、洗い物は一人前になったんだな。顔を見ると忍は満面の笑みを浮かべている。そのなんとも嬉しそうな横顔に、俺は箸を口にくわえたまま動きが止まってしまった。夢か幻か、はたまたアヤカシか?俺の目もついに老眼か?いかん、いかん。我に返り、あわててご飯をかき込む。

・・・・かわいいじゃあーりませんか。

だから何でその顔を俺の前でしないんだ!ムカつく。本当にアイツは俺を苛つかせるのが得意だよな。でも、窓ガラスに映った忍がちょっと、ほんのちょっとだけ可愛かったから。ま、今日のトコロはこれで良しとしてやろう。
 
そんな事を考えながら窓ガラスを見ると、にやけた顔の中年男が一人映っていた。




日常の一コマ。なんとなく雰囲気を妄想して、最後のデレデレな宮城を楽しんで頂けたら幸いです。ちなみに私は、キャベツ炒めにベーコンと卵が入っているのが好きです。ソースを少しかけて食べます。みなさんはどんな具を入れますか?

明日はついにアニメイトへレッツゴーです。無事に整理券入手できますように・・・。仕事も休めますように。。。☆
 
「姉貴、何でアイツと分かれたの?」
突然オーストラリアから帰国した弟は、周囲が聞きたくても遠慮していた質問をぶつけてきた。まったく、久しぶりにあったのに、開口一番がそれなの。はあ。
「・・・うるさいわね。他に好きな男が出来たのよ。」
これは本当。でも・・・理由は他にある。それは私のプライドをひどく傷つけた。そんな話は弟にだって話すつもりはない。私は庸が好きだった。初めて顔を合わせた日、私は一方的に恋に落ちた。文学を情熱たっぷりに語るあの表情、時折見える暗く沈んだ虚ろな瞳。あの黒い瞳の闇に私は魅入られてしまったのだ。
 
 
結婚が決まった時は嬉しかったな。この世の幸せを独り占めしたみたいだった。庸はいつでも優しかった、でも優しかったのは私に感心がないから、平和な生活に波風を立てたくなかったのよね。結婚してから分かった事、庸の関心事は「文学」と「古い写真の女性」のこの二つ。庸が留守の時に写真を盗み見たけど、そこに映っている女は美人でもなんでもなく、ごく普通の女だった。悔しくって、私なりに振り向いてもらう努力はしたつもり。でも庸の目は「私」を通り過ぎて別の「何か」を捕らえようと、違う空間を見つめていた。私は諦め、他に恋人を作った。そうでもしなきゃ、今まで積み上げてきた女のプライドが崩れて「私」を保つことが出来なくなる様な気がした。
 
弟、忍は庸に恋している。これは間違いないわね。薄々は気がついていたけど、結婚式の時に涙を流す忍を見て確信に変わった。私が結婚するからって泣くような弟じゃあない。おねえちゃん子だったのに、両家の顔合わせの日から寄りつかなくなった。呼び方も「お姉ちゃん」から「姉貴」に変わった。まったく、姉の洞察力をなめないで頂きたいわね。こう見えても忍の事はちゃんと見てきたんだから。忍は私が気付いているのを知らないだろう。姉弟そろってあんなの好きになっちゃって。私に顔が似ている忍だったら、選びたい放題でしょうに。馬鹿な忍、馬鹿な私。
 
おっと、彼との待ち合わせの時間に遅れちゃう。コーヒーカップをソーサーに置き、伝票を手に取る。カフェの外に出ると夕日が落ちかけていて、辺りは薄暗くなっていた。紫色にグレーがかかって、夕日のオレンジが少し。夕暮れ時の空の色は不思議な色だなって思う。道行く人々は家路を急いでいるのか、皆早足に見える。忍はちゃんと独り暮らし出来てるのかしら?料理も掃除も出来ないのに。ふと、反対側の商店街に目を向けると、見覚えのある人影があった。あら?あそこに見えるのは庸・・・と忍だわ。スーパーの前で忍はキャベツが入った袋を下げ、庸と何か言い合っている。赤い顔をして庸にくってかかる忍。そんな忍を庸は笑いながら適当にあしらっている。なんて事のない光景なんだけど・・・わかっちゃうんだよね。庸の黒い瞳はしっかりと「忍」を見ている。ふーん、上手くいったんだ、あの二人。庸も新しい一歩を踏み出せたのは素直に嬉しいと思うけど、その相手が弟となるとちょっと複雑なのよね。まあ、他の知らない女に持っていかれるよりはマシだけど。姉のプライドがあるから今は祝福なんてしてやんない。あーやっと私の恋にも決着が着いたわけね。妙に清々しい気分だわ。立ち止まって目を瞑り胸一杯に新鮮な空気を吸い込み、大きく息を吐く。
「バイバイ、庸。」
よしっ!顔を上げて真っ直ぐ前を見る。私は恋人に会う為、駅への道を急いだ。
 


以前からねーちゃん話を妄想していたので、やっと形に出来て良かったです。ねーちゃん話なんて読みたい人いなさそうですが・・・。私の自己満足なんで(-_-)さらっと楽しんで頂けたら幸いです。
なんだか毎日が楽しい!いつもの町並み、相変わらず馬鹿話をしているクラスメイト達。特に変わった事はないんだけど。いや、違うか、俺の前にあの男が現れた。あの冴えない男が俺の探している「何か」を持っている気がする。・・・まあ、あくまで気がするってだけ。
 
中央図書館に来ると、真っ先にあの男の姿を探す。姿が確認出来るとフワッと、身体が軽くなって心が弾む。本棚の間からこっそりと観察したりして。あれ、今日は顔色悪りいな・・・仕事忙しいのか?そーいえばここ二・三日来てなかったもんな。つうか、俺もキモくね?っ、しょうがねーだろ、気になるんだから。目が離せない、もっと見ていたい。もっと色々な事が知りたい。職業は?年齢は?何でもいいからあの男の事が知りたい。こんなにも誰かに興味を持つなんて、思ってもみなかった。男の目線が本から上がり、俺の方を見た。黒い瞳には読んでいた本の興奮が映っているようだ。俺を見ているわけじゃないけれど、とっさにしゃがんで身を隠す。顔が、胸の中の心臓が、全身が熱い。本棚にもたれかかってそのまま床に座る。俺やっぱ、アイツの事を好きになっちゃったんだ。特別な事があったわけでもない、話をした事もない。本を読む姿がなんとなく気になって、いつの間にか好きになった。たぶん俺は明日も図書館に来るのだ、アイツを探しに。
 
 
 
んで、あの運命的な出会いがあって、その日のうちに失恋して。あん時の料理覚えてないや。フレンチのフルコースだったっけ?あー料理といえば結婚式も辛かったな。姉貴と二人並んでバージンロードを歩いていく、その後ろ姿が切なかった。フラワーシャワーがあちこちから降っていて、花びらが太陽の光に透けてキラキラ幻想的で綺麗。祝福の声が飛び交う中、俺だけが時間の止まった空間にいて、重く冷たかった。どんどん遠ざかる背中を、泣きながら見送った。泣きたくなかったけど、涙は勝手に溢れ出して視界をぼやけさせた。周りの親戚達は「大好きなお姉さんを取られたみたいで寂しくなったのね。忍ちゃんもかわいい所あるじゃない。」なんて、ぬかしてやがった。違うっての。
 
嫌な事ばっか思い出しちまったじゃねーか!やるせない気持ちになって、目の前の背中を枕で殴った。
 
「おわっ!何だあ?起きているなら普通に話しかけて頂けませんか、忍チン。」
「うっせー。俺が起きている事くらい気配で悟れ。」
 
宮城はため息をつきながら本にしおりをはさみ、ベッドの中に入ってきた。
 
「どうしまちたかー、起きてパパが隣にいなかったから寂しくなっちゃいまちたかー?」
馬鹿な事を言いながら、俺に抱きついてくる。俺の身体は宮城の中にすっぽりと収まってしまう。大きく息を吸う。宮城の匂い、煙草と大人の男の匂い。俺の好きな匂い。このままこの中にいたいけれど、照れくさい。
 
「オッサン、汗くせえんだよっ!アンタは黙って本を読んでいればいいんだ!」
 
ごろん、と転がせて向こうをむかせる。宮城は顔だけちょっと上げて唇を尖らせる。
 
「ハイハイ、どーせオジサンですよ。加齢臭ですよー。」
 
サイドボードの本に手を伸ばし、ベッドの中で読書を再開した。ベッドから出ないのが嬉しい。宮城の背中に近寄って、自分との距離を縮める。大きな背中に手を当てると宮城の体温が手を通って俺の中に入って来る。温かいな。あんなに遠く感じた背中が目の前にあって、その背中に触れている。もう俺は解っているんだ、宮城は俺の探していた「何か」を持っていたわけじゃないんだ。宮城の存在が俺の探していた「何か」だったんだ。身体が温まっていく。なんだか幸せな気持ちが溢れてきたから、背中におでこをすり付け俺は微笑んだ。


結婚式に出席した忍ちん、どんなに辛かったか・・・。宮城と結ばれた今、幸せをかみしめている事でしょう♪

アニメ感想 ☆ 誰か野分に新しい洋服を買ってあげて!!!なんだかいたたまれないです。どう見ても、学生時代の服ですよね。もういっその事秋冬は黒のタートルと、いつものファー付きコートのみでいいと思います。
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